■マコの傷跡■

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chapter 24



~ chapter 24 “好きな人” ~




好きと嫌いの感情がよくわからないままの私にも彼氏は出来た。
いつも“ちょっといいな”と思うと好意を隠したりしなかったので
相手にも伝わり、「付き合って」と言われるパターンだった。
本当に好きかどうかもわかってないのになんとなく寂しいから付き合った。
高校生の後半から2~3人と付き合ったが、どうでもいい事ですぐ別れた。
例えば、男の子も含む他の友達と遊んでいて怒られたり
髪の毛を切るなとか染めるなとか言われたりすると面倒になる。
結局たいして好きではなかったのだと思う。

19歳になった頃、好きな人が出来た。
今回の相手も当然私が好意を寄せている事は承知だったけれど
その人は「今はサーフィンに夢中だから彼女は作る気ない」と、
いつまで経っても友達のライン以上に近づいて来なかった。
友達という形の中でどんな人なのか見て知る事が出来、
その結果ますます好きになって行った。

仲良くなって半年が経とうとした頃にはもう好きでしょうがなかった。
彼女を作る気がないのは知っていたけど、
どうしても好きだという事だけは伝えたかった。
彼女じゃなくても良かった。でも女友達の中で1番ではありたかった。
彼も今いる女友達の中では私を1番好きだと言ってくれた。
私はそれで充分満足だった。

お互いの気持ちを確認してからも私達は友達だった。
彼はサーフィンよりも私を優先させる事はなかったし、
遊ぶ約束や連絡がなくても私には怒る権利はなかった。
もちろん、その逆に彼にも怒る権利はなかったけれど。

その後も私達は友達でいたけれど関係は少しづつ変わった。
途中まで手を出してしまうけれど最後までは絶対にしない。
私は「なんだろう、これは。するなら最後までしちゃえばいいのに」と思っていた。
友達、というには近くなりすぎた私達を見て
彼の友達が「Hしてんのに友達なの?」と私に聞いた時、
私は少し困りつつ「Hまではしてないもんねぇ・・・」と彼を見て言ったが
その言葉も聞かず友達はこう後に続けた。「それってセフレじゃん」
その言葉を聞いて彼はものすごく怒り、友達の家から私を連れて自分の家に帰った。

彼女じゃないのにそういう事してごめん。
でもセフレなんて、そんな風に思ってる訳じゃないんだ。そんなつもりじゃない。
だからいつも必死で我慢してるんだけど・・・。でも最後までしてなくても同じだよな。
俺、アイツが真琴に対してセフレなんて言ったの、
すげぇむかついたけど、でも俺がいけないんだ。

彼はすごく真面目な人だったから、私と中途半端な関係を持っている事で自分を責めていた。
別にそんな風に思われてないのはわかっている。
彼は彼なりに大事に付き合ってくれてるのは知っている。
「最後までしてたとしても、私は あんなので傷ついたりしてないよ。」
むしろ私がセフレ扱いされて悔しがってる彼が嬉しかった。


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